水サイド






























「水にならなければいけない、氷になるため、黒い液体の注がれた水槽に、地球は浮かんでいて、回転すると、ぬれた部分が夜になるから、ここで、産んでもいないのに死んでいて、生まれてもいないのに殺されていて、わたしは、泣いてもいないのに」

サンズイに夜で液、これを考えたやつは天才だとおもったけど、ぼくらはイメージにひっぱられすぎていて、あしのうらをねばつかせたまま、モチーフだけを氾濫させて、さらわれようとするから、飽和できずに、ぬれ続けるしかない

おやすみ、おやすみ、おやすみ、ほんとうにそれは、溺れる合図なのだろうか、安易に泳ぎたくはないけど、沈むことを正しいともおもいたくはない、夜とうまくつきあえない、ふりむいてほしくもない、融点を背にして、凝固点だけをみつめている、きっと殺意のなくなった瞬間に、殺してしまう、水位を上げれば、体温が下がることを覚えてしまった、区別がつかなくなってしまった

メロンソーダに魚眼をフロートさせて、保健室や理科室をのぞく、きみを殴って、血のついたアイスキャンディーをしゃぶって、夜をぬらす、アタリは出なかった、ジャムも、ゼリーも、すきとおるふりをするためのツール、ぼくは淡水に恋をしている、きみは海水に呼ばれている、数学のノートにかいた宇宙人を増殖させて、学校を襲うようにしむける、すいせいの生物になりたい、こうおんの動物をやめたい

「ふりはらったものばかりほめられる、欠落しないで、遠い、考えない、やめてよ、やすっぽい喪失で、わたしに堆積するものは濁っていてもいいけど、ゲロだけは、うつくしいから、排水溝になって、タイムマシンが完成したら、わたしが少女として呼吸をするまえに、絞首して、きれいに絶えてしまったら、胎児として脈をうつまえに、もう一度絞首して、嘘です」

(水びたしのきみをみるたび、きらいになった、死んでほしい)

からだじゅうに、つめたい電気を塗りたくって、ビームをはなつ、しきゅうとか、ちきゅうとか、そういう音で

suicideって、水辺のことだとおもってた、きみと同じ歳のころ








































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